導入事例:第24回 日本救急看護学会・学術集会
【イベントレポート】看護領域初、第24回 日本救急看護学会・学術集会でVR100台同時接続の大規模セミナーを実施。あまりの臨場感に会場から感嘆の声が多数!
AMED研究事業
2022年10月14日(金)~15日(土)に開催された「第24回 日本救急看護学会・学術集会」にて、ジョリーグッド協賛によるVRゴーグル100台同時接続の大規模医療VRセミナーを実施しました。看護領域にてVR100台同時接続のセミナー開催は日本初となりました。
当セミナーでは、救急看護認定看護師の1期生であり、救急看護のパイオニアと呼ばれる現役看護師・冨岡小百合氏(大阪府立中河内救命救急センター)の経験知とノウハウを彼女自身の視点で体験学習できるVR教材を用い、そのトップレベルの看護スキルを参加者に体験していただきました。
本VRセミナーは、ジョリーグッドが採択されたAMED研究事業に日本救急看護学会が新たに参画し、進行していくプロジェクトの一環として行われました。
VRセミナー概要
テーマ:テクノロジーによる看護教育の変革!VRが叶える経験知の加速
会場:TFTビル TFTホール500(東京都江東区有明3-11-1)
(演目名)
①外傷初期看護セミナーへのVR導入の取り組み(令和健康科学大学)
②重症外傷初療における看護教育(埼玉医科大学 総合医療センター 高度救命救急センター)
(登壇者)
座長:谷河篤(東北大学病院 高度救命救急センター)
座長:松月みどり(湘南医療大学)
演者:苑田裕樹(令和健康科学大学)
演者:今本俊郎(埼玉医科大学 総合医療センター 高度救命救急センター)
演者:細木豪(株式会社ジョリーグッド)
VRゴーグルを100台同時接続
看護領域でのVR100台同時接続のセミナー開催は日本初となります。
初めて見る【医療実写VR】に会場からどよめきが起きました。
座長:谷河篤先生(東北大学病院 高度救命救急センター)
座長:松月みどり先生(湘南医療大学)
苑田裕樹先生(令和健康科学大学)
今本俊郎先生(埼玉医科大学 総合医療センター 高度救命救急センター)
細木豪(株式会社ジョリーグッド)
パネルディスカッション要旨
(細木)「1つ目のテーマ、『救急看護実習における課題と、VRが課題解決にどう寄与できるか?』について、ご意見を伺わせてください。」
(苑田) 「救急看護実習における課題のひとつとして、最もよく見えるポジションに実際に立つことができない点がありますが、VRカメラでドクター目線・ナース目線で撮影することによって、それを後から映像で臨場感をもって見ることができるのは非常に有効だと思います。」
(今本) 「当施設で若手に対してヒアリングをしたところ、VRを単に見るだけでは『すごいな』で終わってしまうところがあるとのことでした。それを踏まえて、特に注意して見てほしいポイントを整理した上で、一度通しで映像を見てもらい、どこに気をつければ良いのかを体感してもらった上で、再度ファシリテーターによる解説を重要なシーンごとに映像を止めながら行うことが有効だと考えます。VRに加えて、それを元にした副教材を作っていく必要性も感じています。」
(松月) 「患者さんに初めて対面した学生は、どのようにコミュニケーションすれば良いのか分からないという声をよく聞きます。VRを使うことによって、ベテラン看護師の目線、間の置き方、姿勢などポイントとなるところを繰り返し何回でも確認することができるのが良い点だと思います。」
(谷河) 「会場からVRコンテンツの使い方についてご質問がありましたが、いかがでしょうか?」
(苑田) 「VR教材は、チームビルディングにかなり良い影響があると思います。一方、希少な外傷手術のケースにおいてテクニカルな手技にフォーカスした「寄りの映像」で作るのか、それとも今回のような全体が見渡せる「引きの映像」で作るのか、今後はケースに応じたマニュアルのようなものを作っていければ、非常に有意義に広まっていくと思います。」
(松月) 「私はナースの判断する力、自律性を育てることが重要だと思っています。自律性を育てるには、自分の持っている色々な意識を繋ぐことが必要です。患者を観察して得た情報をどのように反映するのか…といったシナリオをVRを使って作っていければ、救急看護学会の中でも画期的なコンテンツになると思います。」
(細木) 「2つ目のテーマ『VR実習が活かせる看護教育分野は?』についてお話をお願いします。」
(会場より) 「私は救急外来にいる看護師なのですが、なかなか経験できない症例や、オペ室の様子をVRで見てみたいと思いました。」
(谷河) 「VRで診療の動画を振り返って1番わかるのは、チームダイナミクスです。『○○さん今これやったよ』『今から開腹するね』など、伝えるべき相手にちゃんと指示が伝わっているか、相手が言葉や動作でどのように返事したのかが確認できます。シナリオがない実際の臨床の切迫した映像をVRで見てもらうと、学生にとって良いシミュレーション教育になると思います。」
以上、第24回 日本救急看護学会・学術集会での大規模VRセミナーは大盛況のうちに閉会する運びとなりました。オペクラウドVRプロジェクトでは、今後も看護領域をはじめとするVRコンテンツの拡充を図るとともに、VR遠隔臨床学習プラットフォームの完成を目指してまいります。ご期待ください。