導入事例:AMED研究事業
【実証レポート】VR動画教材を用いた遠隔教育プログラムと教育効果の検討 - 2D vs VRランダム化 比較試験を実施。全国5大学同時にオンライン模擬授業を開催!
AMED研究事業
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)事業である令和2年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」において「外傷診療における遠隔臨床学習プラットフォームの構築に関する研究」として、株式会社ジョリーグッドは3ヶ年計画の採択を受け、臨床学習プラットフォームの開発を行なっています。その実証の一環として、2023年1月28日(土)、「動画教材を用いた遠隔教育プログラムと教育効果の検討 - 2D vs VRランダム化比較試験」をテーマとするオンライン模擬授業を実施しました。
本VRセミナーは、ジョリーグッドが採択を受けるAMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)事業において、VR臨床学習プラットフォームを構築する研究の一環として行われました。
概要
今回の実証では、外傷の初期治療やFocused Assessment with Sonography for Trauma(FAST)の遠隔学習教育において、VR動画と2D動画の映像教材を比較し、自己効力感や理解度などの学習効果を検討することを目的に、VR映像で授業を行うグループと、2D映像で授業を行うグループに分け、同一講師(横堀先生)が、全国5校の対象大学の対象者へ向けて、遠隔でのオンライン授業を行いました。また受講前・受講後にアンケートを実施し、学習効果を調査・測定しました。
・研究名:VRを活用した遠隔臨床実証プラットフォーム構築に関する研究
・科学的研究名:VR動画教材を用いた遠隔教育プログラムと教育効果の検討 - 2D vs VRランダム化比較 試験
・対象大学:日本医科大学、東北大学、東海大学、大阪公立大学、島根大学
・対象者:各大学の医学部4 - 6年生、研修医1 - 2年目
・日時:2023年1月28日(土)2Dの部12:55~、VRの部14:25~
講師を務めていただいた日本医科大学大学院医学研究科 救急医学分野の横堀 將司先生。日本医科大学付属病院内の一室からオンラインで講義を行っていただきました。
横堀先生の手元には、パソコンとタブレットを用意。冒頭はパワーポイントを用いて外傷診療について説明を行い、その後に実際に2D映像またはVR映像を体験してもらいました。
受講生は日本医科大学、東北大学、東海大学、大阪公立大学、島根大学の医学部4 - 6年生および研修医1 - 2年目。各大学の会議室・講義室で受講しました。(写真は日本医科大学)
各施設の前方にはスクリーンを用意。日本医科大学の横堀先生のPCと、全国の5施設で設定したPCをZoomで接続し、拠点間を繋ぐ形で講義がスタート。
東北大学では谷河先生が会場をサポート。
東海大学では本多先生が会場をサポート。
大阪公立大学では内田先生が会場をサポート。
島根大学では木谷先生が会場をサポート。
2D映像の部
模擬授業前にプレテストを行った後、2D映像の部では、前面のモニターを使用して外傷初期診療におけるFocused Assessment with Sonography for Trauma(FAST)の模擬授業が30分間行われました。2D映像の部では、手術室を上から見下ろす視点映像で、視聴中も横堀先生より解説を行うなど、受講生の真剣な眼差し、聞き入る姿がとても印象的でした。
VR映像の部
受講生を入れ替えて行われた、VR映像の部ではVRゴーグルを参加者に配布し、VR動画教材を用いた模擬授業を実施しました。各施設で所持しているVRゴーグルの中に、今回の実証で利用するFASTのVR動画をダウンロードして体験していきます。
VR映像の部で配布されたVRゴーグルはインターネットを介して連携した状態にしており、タブレットで操作した内容がVRゴーグル上で即座に反映されるようになっています。
受講生は、360度カメラで撮影された映像を体験しながら、横堀先生の授業を聴いています。
タブレット端末を用いて画面を操作する横堀先生。動画内で、見るべきポイントをタブレット内に書き込みながらVRゴーグル内に表示しながら指導をしています。
2D映像の部とVR映像の部それぞれで受講後にテスト・アンケートを実施。受講前、受講後の学習効果を調査し、その効果を測定しました。
総括
全国5大学をオンラインでつないだ遠隔の模擬授業は、多くの方々にご参加いただき無事終了することができました。当日ご参加いただいた受講生の皆様ご協力ありがとうございました。今後はテスト・アンケート結果の集計・分析が行われ、2D vs VRの比較と教育効果の検討が行われる予定です。ジョリーグッドは、今後もVR教材コンテンツの拡充を図るとともにVR遠隔臨床学習プラットフォームの完成を目指してまいります。