導入事例:第36回 日本外傷学会総会・学術集会
【イベントレポート】 医療業界初、VR講義が外科専門医認定の単位に! 日本外傷学会にて100名の参加者に向け、3名の医師がVR映像を巧みに扱った講義を実施
2022年6月30日(木)に開催された「第36回 日本外傷学会総会・学術集会」(大阪国際会議場)にて、ジョリーグッド協賛による大規模医療VRセミナーを実施しました。本VRセミナーは、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)事業である「外傷診療におけるVR遠隔臨床学習プラットフォームの構築に関する研究」の成果発表の場として行われました。AMED事業としては、2021年11月に行われた「第49回 日本救急医学会総会・学術集会」に続く開催となります。
VRセミナー概要
テーマ:『テクノロジーが叶えるチーム医療!VR外傷教育による知の加速、実践への架け橋』 概要:外傷救急領域を牽引する3施設の医師が制作したVRコンテンツを活用したVR講義を実施 ※本講義の受講により外科学会「外科専門医」の単位を取得することが可能。 ※来場者先着100名によるゴーグルを使ったVR講義を実施。
(登壇者)
座長:横堀 將司(日本医科大学付属病院 高度救命救急センター)
松岡 哲也(りんくう総合医療センター/大阪府泉州救命救急センター)
福間 博(りんくう総合医療センター/大阪府泉州救命救急センター)
比良 英司(島根大学医学部附属病院 高度外傷センター)
谷河 篤(東北大学病院 高度救命救急センター)
細木 豪(株式会社ジョリーグッド)
VRゴーグルを100台同時接続
2021年11月に行われた「第49回 日本救急医学会総会・学術集会」からVRゴーグル体験人数を倍に増やし、今回は100台同時接続するという史上初の試みとなりました。
前回に引き続き、本事業パートナーである日本医科大学付属病院より、横堀將司先生に座長を務めていただきました。さらには第36回 外傷学会総会・学術集会の会長である、りんくう総合医療センター松岡哲也先生にゲスト登壇いただき、セミナー後半のパネルディスカッションでVR教育に関してご意見をいただきました。
(左)松岡哲也先生 (右)横堀將司先生
講師には、AMED実証協力施設から、
・りんくう総合医療センターより福間博先生
・島根大学医学部附属病院より比良英司先生
・東北大学病院より谷河篤先生
の3名にご登壇いただきました。
この学会のためにそれぞれの施設で制作していただいた最新のVRコンテンツを用いて、ショート講義が行われました。
(VR講義の映像コンテンツ)
① 症例:初寮室における外傷処置(撮影:りんくう総合医療センター)
② 症例:ドクターカー内での外傷処置(撮影:島根大学医学部附属病院 )
③ 症例:転落外傷のショックの転院症例(撮影:東北大学病院)
福間博先生(りんくう総合医療センター/大阪府泉州救命救急センター)
比良英司先生(島根大学医学部附属病院 高度外傷センター)
谷河 篤先生(東北大学病院 高度救命救急センター)
細木豪(株式会社ジョリーグッド)
パネルディスカッション要旨
(細木)「外傷教育とVRの相性について、皆様方のご意見を伺わせてください」
(福間) 「相性は良い感触がある。今回VR用カメラで撮影したことで治療室内全体の動き、背後にいるスタッフの動きまでを確認することができた。エコーや手技等に関しては手元の固定カメラを使い分けると良いと感じた。」
(比良) 「外傷教育に限らず、VRは今後の教育素材の中心コンテンツになっていくと思う。VRは固定カメラの映像と比べて臨場感・没入感が圧倒的に違う。若手医師や学生に外傷の現場の雰囲気を学んでもらうには非常に良いコンテンツだと感じた。」
(谷河) 「他の一般外科に比べ、外傷外科では特にノンテクニカルスキルが求められる中で、チームダイナミクス等の教育にVRは非常に有益であり、VRとの相性は良いと感じた。」
(谷河) 「会場からVRコンテンツの使い方についてご質問がありましたが、いかがでしょうか?」
(松岡) 「今回は非常に良いものを見せていただいた、今後はユニバーサルに誰でも簡単に撮影・編集ができる環境が整備されていくことを期待する。ジョリーグッド社に複数箇所にカメラが設置されたモデル施設を設計してもらい、コンテンツ拡充を進めてもらいたい。」
(横堀) 「チームダイナミクス、多職種連携を学ぶのにVRは有益だと感じた。」
出展エリア
出展エリアでは、オペクラウドVRを活用し作成されたVRコンテンツの無料体験や、講義でも活用する視線データやスコアリング機能による学習の可視化の無料体験、VR講義コンテンツを展示しました。